リアル書店で選べる電子書籍「BooCa」を試しに買ってみた
ぜんぜん話題になってませんけど、「BooCa」って知ってます?
本屋さんの店頭に陳列されている多数のカードの中から欲しい本のカードを選んで買うと、KoboまたはBookLive!の電子書籍として読めるという、文章にするととってもわかりづらいサービスです。
買えるのは、全国4店舗のみ
11月21日まで期間限定での実証実験サービスのため、全国4店舗でしか買えません。東京都内では、三省堂書店 神保町本店と秋葉原のヨドバシカメラにある有隣堂書店のみです。
→サービス実施店舗
というわけで、秋葉原ヨドバシカメラ7Fにある有隣堂に行ってまいりました。売り場に行くと、カードがたくさんあって壮観。これ、iTunesカードやGoogle Playカードなど、コンビニみたいにいろんな種類のプリペイドカードが並んでると思いません?
本の数だけ、カードがあります
これ、ぜんぶBooCaのカードです。BooCaはただのプリペイドカードではなくて、電子書籍そのものが陳列されてるんです。なんか日本語変ですけど。
たくさんある表紙がプリントされたカードの中から自分が欲しい本を選んで、レジまで持っていくんです。これ、じつは実際店頭に行くまでよくわかってませんでした…。
小説はもちろん、歴史モノ、ビジネス書、自己啓発、新書、ライトノベル、コミックまで、幅広いジャンルを網羅しています。約120種類の書籍がぶら下がっている什器が23壁(単位が変)あったので、2700種類くらいあるのでしょうか。
その場に行かないとわからないかもしれませんけど、ここから選ぶの、意外と楽しい…。
選んだカードはそのままでは使えません。カード購入時にレジでアクティベーションという処理をしてもらうと使えるようになります。だから万引きとかしてもムダ。
どうやって使うの?
試しに1冊、野崎まど『Know』を買ってきました。
1.カードのスクラッチを削る
表には表紙と簡単なあらすじ、裏にはコインで削るスクラッチがあります。細長いのはダウンロード用のコード。正方形のはQRコードです。QRコードをどうやって使うのかわからなかったのですが。で、ダウンロード用のコードのほうを削ると数桁の英数字が出てきます。
2.専用ページを探す
このダウンロード用のコードを入力する場所が、最初はよくわかりませんでした。カードの裏には楽天Kobo電子書籍ストアのURL(http://books.rakuten.co.jp/e-book/)が書いてあるのみ。
よく探すと……ページに真ん中あたりに、こんなバナーがありました。ここから専用ページに行くようです。せめてひと言くらい「BooCa」って書いておいてほしいな−。それと、できればBooCaのロゴと同じ黄緑色にしておいてほしい。なぜ黄色・赤。黒のバナー…?
バナーをクリックしたあとの専用ページから、さらにこの赤いボタンを押します。だんだん面倒くさくなってきた…。
3.コードを入力する
やっと、コード入力画面。全角じゃダメ!半角で入力しないとおこられるゾ。
確認画面を経て、やっと登録完了。スマホのKoboアプリでちゃんと確認できました。
使ってみて、どうなの?
本を選ぶのが意外と楽しい
たくさん陳列されているカードを見て選ぶのが、結構楽しかったです。普段のECサイトではモノを選んでる感じもしないですし、紙の書籍を選ぶときとも違う、不思議な感覚でした。
図書券や電子マネーでも買える
書店のレジで購入するので、現金やクレジットカードはもちろん図書券でも支払いできます。その書店がSuicaや楽天Edyに対応しているなら、そういった電子マネーでの支払いも。
「図書券もらったから電子書籍買いに行こう」っていう子供がこの先出てくるのか?その前にECサイトで図書券使えるようになるか。
価格は、通常より安くセールより高い
今回買った野崎まど『Know』のBooCaカードは650円(カードに表記されているのは税抜価格602円)でした。紙の書籍は778円、楽天Koboで普通に電子書籍を買う場合は683円なので、BooCaで買うのが一番お得ということになります。これちょっと驚き。もっと店頭でそれをアピールしてもいいのになぁと思ったけど、書店の手前、それもできないのかな…。
ただしKoboユーザーは電子書籍を通常価格で買うことがあんまりなく、20%引や30%引のセールで買うのが当たり前のようになっています。そういったセール価格と比べると高いんですよね。
プロモーションにはいいかもね
なのでリピーター向けではなく、これから電子書籍を買ってみようという新規のお客さん向けには紙より安いしいいかもしれません。あれだけの数のカードが陳列されているのは、いい宣伝になりますしね。KoboやLideo(死にかけているBookLive!の電子書籍リーダー)も置いてありました。↓
僕が行った時も、「へー、これで電子書籍が買えるんだー」とカードを手に取る仕事帰りのサラリーマンや、「これからはこういう時代になっていくんだゼ。もうなってるけどナ」と得意げに彼女に説明する若者など、30分ほどの間に何組かの人々がおもしろ半分で見ていました。
買ってる人は1人もいなかったけどな。
しかし、とにかく分かりづらい
カードを買ったまではいいのですが、その後にECサイトでコードを入力するまでの流れが、実際に体験してみると非常に分かりづらかったです。
ウェブサイトに行かないとできないし、コード入力画面がどこにあるかわからないし、楽天Koboのラクーポン以上につまづく人多いんじゃないかなー。せめてKoboアプリ内で直接コードを入力して完結できるようにならないと、買うメリットがない気が…。
ともあれ、おもしろい体験ではありました。11月21日まで実証実験中とのなので、興味があればぜひ。
ちなみに今回買った『know』は、ウェアラブルの行きつく先、脳に直接デバイスを埋め込むことが当たり前になった未来のお話です。こちらもよかったらどうぞー。